インタビュー・ライター
岩井なな
富山県出身。北陸と東京を行き来する取材・インタビューライター。
発信が大好きで、インスタ、Twitter、note、stand fm.などでコンスタントにコンテンツを公開中!
INTERVIEW
開業から5年、更新が止まったサイトを立て直すために出会った行政書士宮本えり氏とグットアップ榎本元。単なる制作を超え、「考えを整理しながら育てていく」伴走型の支援で、専門性と信頼を伝えるホームページを実現した実例を紹介します。
目次
開業から5年。化粧品ビジネスの新規参入やお酒の販売免許など、専門性の高い分野を扱う行政書士・宮本えりさん。
独立当初に自作したホームページは、更新が止まり、思うような反響が得られませんでした。
「見てもらえているのに、何も変えられない」――そんなもどかしさの中で出会ったのが、グットアップの榎本でした。
単なるサイト制作ではなく、「自分の考えを整理してくれる人」として寄り添う打ち合わせの積み重ね。ページが増えるたびに、宮本さん自身の方向性も明確になっていきます。
本稿では、ホームページを“作る”ではなく“育てる”時間として共に歩む、行政書士宮本えり事務所とグットアップの協働のかたちをお届けします。

宮本様:
「開業当初に、知人のつてでホームページを作ってもらったんです。最初は助かると思ってお願いしたんですが、公開してしばらくすると更新が止まってしまって…。修正をお願いしても返事がなく、最新の情報を発信したいと思っていても、古いままになってしまっているのが気になっていました。」
インタビュアー:
「それは困りますね。ホームページは、その会社が現在もサービスを提供しているか確認するために閲覧する人も多いと思うので、更新がストップしていては、サイトを見た人が“この事務所は今も活動しているのかな?”と不安になってしまうこともありそうです。」
宮本様:
「まさにそんな状態で、危機感を抱いていました。行政書士の仕事って、法律や制度の改正にすぐ影響を受けるので、情報が古いままというのは本当に困るんです。“未来のお客様となる人にホームページが見られているのに、内容を直せない”という状況が、一番つらかったですね。」
止まっていたのはサイトではなく、気持ちの整理のほうだったのかもしれません。再び言葉が動き出すとき、方向も見えてくるものです。
榎本元
最初のホームページは、開業直後に作られたものでした。当初は順調に進んでいたものの、納品後の更新サポートが途絶え、修正も依頼できないまま時間だけが経過。
「信頼を得たいのに、発信が止まっている」というジレンマが、次第に大きなストレスになっていきました。
その頃、士業仲間の紹介で出会ったのがグットアップの榎本でした。最初の接点は、ホームページ制作ではなくインタビュー取材。「すごく話を掘り下げて聞いてくれる方で、自分の考えを言葉にできていく感覚があった」と宮本さんは振り返ります。
当初は「依頼しよう」というより、「一緒に考えてもらえそう」という直感が先にあったそうです。その出会いをきっかけに始まった協働は、単なる“サイト制作”を超え、事務所の方向性を整理していく時間へと広がっていきました。
宮本様:
「もともと別の行政書士の同期が榎本さんにホームページ制作をお願いしていて、“すごく丁寧に作ってくれる”と聞いていたんです。実際にお話ししてみたら、ちゃんとこちらの話を聞いたうえで“どう見せたいか”を一緒に考えてくださって。その姿勢が信頼できるなと思いました。」
インタビュアー:
「初めての打ち合わせでは、どんなことを話し合いましたか?」
宮本様:
「まず“更新が止まっている現状をどう立て直すか”を整理することから始まりました。一度止まったサイトをそのまま動かすのではなく、ゼロから“どう育てたいか”を一緒に描くイメージだと伝えていただきました。そのときに、最初から答えを出すことを求めるのではなく、どうしてそうしたいのかを丁寧に聞いてもらえて。 話しているうちに、自分の頭の中が整理されていくような感覚を覚えました。」
言葉を磨く作業は、結局、自分の輪郭を確かめる作業です。正しい表現よりも、自分らしい言葉を探すことが大事だと思います。
榎本元
宮本さんが最初に依頼したのは、「化粧品許可の申請代行」を中心とした専門サイトの制作でした。行政書士の中でも取り扱いが少ない分野で、どのように専門性を伝えるかを模索していたといいます。
制作が始まると、榎本は「どんなお客様にどう見せたいか」を丁寧にヒアリングし、言葉を掘り下げていきました。
「自分では当たり前と思っていた強みを“それがいいところですね”と指摘してもらうことで、自分でも気づいていなかった価値が見えてきた」、「言葉を整理しながら、自分の仕事の輪郭がはっきりしていく感じでした」と、宮本さんは当時を振り返ります。

宮本様:
「最初に驚いたのは、ヒアリングシートの細かさです。単なる質問項目ではなく、“自分の考えを整理するワーク”をこなしていくようなかたちで、書いているうちに自分がどんなことを大切にして仕事をしているのかが見えてきました。」
インタビュアー:
「シートに回答すると、自ずと自己分析も進んでいったんですね。そして、その情報をもとにサイトの制作を進めていくという感じですね。」
宮本様:
「そうです。あのシートは本当によくできていて、自分の言葉で答えていくだけで、自然と考えが整理される感じがしました。書いた内容をもとに榎本さんが文章の素案を作ってくれるので、“自分の話なのに客観的にまとめてもらえた”という安心感が得られました。」
インタビュアー:
「どのようなスケジュールで進めていきましたか?」
宮本様:
「『ここを埋めれば完成に近づく』という進行表があって、全体の流れが分かりやすかったのも印象に残っています。自分の力だけではなかなか計画的に進めるのが難しいですし、かといって人に丸投げしてしまうと、いつ何をすればいいのか、完成の目安がわからなくなってしまいます。そこをなあなあにせず、進行表として明確に示してくださったことで、“伴走してくれる存在”という印象がより強くなり、信頼感が一層深まりました。」
考えを整理するための道具が整っていれば、制作は迷わず進みます。形を作る前に、言葉を揃えることがいちばんの近道です。
榎本元
制作は、進行管理表に沿って進められました。宮本さんがヒアリングシートに回答し、その内容をもとにグットアップが文章の素案を作成。宮本さんが加筆・修正を行い、最終的な形に仕上げていく――そんなキャッチボールのような流れでした。
「作る側と伝える側の役割が明確だったので、迷わず進められました。文章のベースがあることで、自分の強みやサービスをどう表現すればいいのか考えやすかったです」と宮本さん。
榎本も、「士業の方の発信は“言葉の精度”がすべて。ヒアリングシートで要点を引き出し、素案を通じて一緒に整えることで、負担をかけずに高い完成度を実現できる」と語ります。
取材や会議を重ねなくても、考えの深い言葉が形になる――それが、グットアップの“効率と品質を両立させた制作スタイル”です。
宮本様:
「化粧品のサイトを公開したときは、同業の行政書士やお客様から“すごく良いサイトですね”というお声をたくさんいただきました。SNS上でも“どこで作ったんですか”と聞かれることが増えて、自分の専門性をしっかり打ち出せたことを実感して嬉しくなりました。」
インタビュアー:
「どのような点が“宮本様らしい”サイトになったと感じますか?」
宮本様:
「サイトの写真にすごくこだわっていただいたことが一番効果的だったと感じています。見た人が、私がお客様と一緒に仕事をしているシチュエーションをイメージしやすいように、スタジオ撮影だけでなく現場での撮影もお願いしました。色やアイテムなど服装についても榎本さんがアドバイスしてくださって、自分では思いつかない提案ばかりで驚きつつも、任せればいいものを作ってくださるという確信を持って一緒に取り組みました。」
インタビュアー:
「写真撮影の段階からそこまでこだわっていたからこそ、宮本様の女性らしくも頼り甲斐のある雰囲気が伝わるサイトになったのでしょうね。」
専門性を伝えるには、言葉だけでなく“人の気配”も必要です。写真は、その人らしさを一番静かに語ってくれる要素です。
榎本元
化粧品業界のように専門性の高い分野では、「どんな人が担当してくれるのか」が見えることが信頼に大きく関係します。
宮本さんのサイトでは、プロフィール写真だけでなく、仕事中の表情やクライアントとの打ち合わせ風景など、自然な姿を丁寧に撮影しました。
「顔を出すのは少し恥ずかしかったですが、“どんな人か分かるだけで安心する”とお客様に言ってもらえて、やってよかったと思いました」と宮本さん。
公開後、SNSを通じて“化粧品ビジネスの行政書士”としての認知が広がり、同業者からの紹介案件も増えました。「専門分野に特化している人だと知ってもらえるようになったのが大きいです」と笑顔を見せます。
榎本も、「化粧品やお酒など、ニッチな分野こそ“誰がやっているのか”をしっかり伝えることが大切。宮本さんのサイトは、ご本人の仕事観が自然に滲み出る構成になっていたと思います」と振り返ります。

宮本様:
「1番大きいのは、“化粧品の人”として認知されたことです。同業の先生方から“この分野なら宮本さん”とお客様をご紹介をいただける機会が増えました。以前は、自分ができることや仕事のスタイルを説明するのに時間がかかっていましたが、今はホームページを見てもらえばすぐに理解してもらえるので、とても楽になりました。」
インタビュアー:
「ホームページが“名刺の先”として機能しているんですね。」
宮本様:
「お問い合わせの段階で“先生の記事を読んできました”と言ってくださる方も多くなりました。内容を理解したうえでご相談いただけるので、話がとてもスムーズです。本気度の高いお客様が多く、ミスマッチが減りました。これは、お客様とウィンウィンの関係を築ける、私が理想としていた状態です。」
信頼は、説明ではなく理解の瞬間に生まれます。伝えたいことより、伝わる形を整えること。それがサイトの役割だと思います。
榎本元
公開後、サイトを通じての問い合わせは、以前よりも具体的な内容が増えました。その中には、「ただ相談したい」という段階ではなく、「この記事を読んでお願いしたいと思った」「この条件で進めたい」というように、目的を持って連絡をくださる方が多いといいます。
その結果、初回面談から実務に入るまでの流れがスムーズになり、業務効率も向上しました。宮本さん自身も、「必要な情報をしっかり伝えられるようになって、やっと自分の専門分野が正しく伝わるようになった実感があります」と話します。
また、化粧品に加えてお酒の販売免許サポートのサイトも展開しています。オンラインで全国からの依頼を受けられる体制を整えたことで、地方からの問い合わせも増えました。「遠方の方とのお取引もオンラインで完結できるようになり、仕事の幅が広がりました」と宮本さん。
榎本は、「専門を明確に打ち出している方ほど、ホームページが強い営業ツールになります。宮本さんのように“どんな価値を提供しているか”を言語化できている方は、信頼の入口をすでに持っているようなものです」と語ります。
宮本様:
「単にホームページを作ってもらうというより、経営のことまで一緒に整理してもらっている感覚に近いです。“こう見せたい”ではなく、“どう在りたいか”というより本質的な部分を引き出してくれるので、打ち合わせの際には毎回考えさせられます。話しているうちに、自分の方向性が自然と定まっていきます。」
インタビュアー:
「ホームページ作成は経営戦略に関わる根幹的な部分でもありますよね。今後の作戦会議のように進めることでより本質的な内容を詰められそうです。」
宮本様:
「まさにその通りです。事務所の状況や目指す方向を一緒に考えてくれて、必要な更新内容を決定していくことができました。榎本さんがいないとホームページが止まってしまう。“伴走してくれる存在”という言葉が一番しっくりきます。」
サイトは作品ではなく、会話の続きです。更新とは、言葉を変えることではなく、考えを新しくしていくことだと思っています。
榎本元
宮本さんの事務所では、今も月1回のオンラインミーティングが続いています。更新内容の相談だけでなく、業務整理や方向性の確認を行う場として定着しました。
「ホームページって、作った瞬間がスタートなんだと感じます。放っておけばすぐ古くなるけれど、定期的に打ち合わせをして内容を見直すことで、今の自分たちに合った形に育てる必要があります。それを一緒にやってくれるのがグットアップです。」と宮本さん。
榎本は、「情報を更新することより、“考えを更新すること”の方が大切」と語ります。「ページを直す作業の裏には、必ず“なぜそうしたいのか”という理由がある。その背景を一緒に整理していく時間こそが、結果的に良いサイトを作っていくと思っています。」
宮本さんは最後に、少し笑いながら「もう依存してしまっているので、榎本さんがいなくなったら本当に困る存在です。健康第一で、これからもよろしくお願いします。」こう締めくくりました。

宮本様:
「同業の先生にも、ホームページで悩んでいる方が多いんです。そんなときは“グットアップさんならちゃんと話を聞いてくれる”と勧めています。サイトを作るだけでなく、言葉や考えを整理して見つめ直す機会になるので、方向性に迷っている方ほど合うと思います。」
インタビュアー:
「より専門性を見せていきたい方はもちろん、方向性が決まっていなくてもまずはホームページを作成したいという方にもぴったりかもしれませんね。」
宮本様:
「はい。特におすすめしたいのは、“発信しなきゃいけないと分かっているけど、何から始めたらいいか分からない”という士業の方です。ヒアリングシートを埋めていくうちに、自分の強みや大切にしていることが自然に明確になってくると思います。
今回、より相性のいいお客様と多く出会うことができ、ホームページをアップデートすることの大切さを学びました。忙しい方ほど、“考えを整理する時間”として依頼する価値があると思います。」
インタビュアー:
「貴重なお話をありがとうございました。」