株式会社グットアップ代表取締役|士業WEB支援歴10年|WEBマーケ著書3冊|社労士(~2013年)|人生を変える、士業ホームページ制作|「あなたブランド」で選ばれる士業へ|静岡県→東京→長野県→東京→現在は静岡県在住|ポメラニアンとマルチーズ飼い。
[マーケティング]
なぜ新人行政書士は紹介営業がオススメなの?営業・集客方法を解説
- 投稿:2024年09月17日
- 更新:2024年09月20日
開業したばかりの行政書士が最初に直面するのは、仕事をどうやって取るの?という悩みですよね。
この記事では、紹介営業を軸に、開業後の顧客獲得につながる営業・集客・顧客獲得方法を解説します。
目次
誰に依頼されるか?営業の優先順位を決める
開業したばかりで、誰に営業すればいいのか分かりません。どうやって顧客を見つければいいんでしょうか?
まずは、誰があなたに仕事をくれるのかを考えましょう。営業は時間が限られているので、戦略的に行うことが重要です。
営業は戦略的に行いましょう。時間は有限なので、効率的に動かなければなりません。まず、顧客がどのようにあなたに依頼してくるのか、彼らの行動を想像してみましょう。その流れを一度書き出してみると、見えてくるものがあります。
顧客に悩みが発生した場合の行動パターンは以下4つです。
顧客が専門家を探す行動パターン
①知っている専門家に相談する
②相談された専門家が別の専門家を紹介する。
③「①」がいない場合は「近所で」専門家を検索して探す。
④「③」で見つからない場合は「遠方で」専門家を検索して探す。
この4つの中から、どのパターンに対して営業を仕掛けるのか決め、そのためにどうしたらよいのかを考え、行き当たりばったりではなく、仮説を立てた戦略的なアプローチを心がけることが重要です。
ターゲットにアプローチする方法を考える
顧客が行政書士に仕事を依頼する流れがわかりましたが、どうやってアプローチしたらよいかわかりません。
アプローチ方法はターゲットごとに変わります。まず、どの層を狙うかを決めましょう。
例えば、「①知っている専門家に相談する」であれば、顧客が困った時点で、あなたのことを顧客が知っている必要があります。それであれば、普段から自分の存在を知ってもらっているために何をしたら良いのかを考えます。
例えば、交流会に参加する、団体に所属する、Youtubeで情報発信する、セミナー開催する、無料相談回を定期的に実施するなど。誰に知ってもらいたいのかによって方法は変わりますが、事前に知ってもらうことが営業活動になります。
また、「②相談された専門家が別の専門家を紹介する」であれば、想定されるのは「税理士」からの紹介です。困った人は、まずは「①知っている専門家」に相談します。経営者であれば、最初に相談するのはほぼ税理士です。それであれば、税理士にあらかじめ自分の存在を覚えてもらうことが営業活動になります。
「③近所で専門家を検索する」であれば、相談者は基本的には自分の近所で専門家を探しますので、事務所周辺の人が悩んだ時に、知っている専門家がいなければ「検索」して探しますので、その時に検索結果にあなたのホームページを表示させることが重要です。
そのためにGoogleキーワード広告やSEO対策で検索上位表示することが営業活動になります。
なお、「④遠方で専門家を探す」については、難易度が高く、高度な悩みを抱えている人が近所では対応できる専門家が見つからない場合に行う検索なので、新人の行政書士の営業先からは外したほうが良いでしょう。
営業は手法ありきで考えると失敗する
アナログ営業とWeb営業は、どちらがオススメですか?
営業は手段ありきで考えると失敗します。まずは顧客が依頼に至る流れを書き出して、その流れを実現するにはどうしたらよいのかを考えるようにしましょう。
営業はアナログとかWebとか、手段から考えると失敗します。まずは誰に営業するのかターゲットを決めて、その人と出会うための経路を設計し、最適な手段を選択するのが合理的です。
ちなみに、士業の営業は「アナログ営業」と「Web集客」は別ものではなく、双方が連携しています。後述しますが、士業の営業の極意は「デジタルインアナログアウト」です。「デジタルインアナログアウト」とは、「ネットで知ってもらい、リアルで会う」という考え方です。これが今の時代の営業戦略の基本です。
Webを活用してあらかじめ知ってもらうことができるので、「①知っている人に相談する」を実現しやすい時代ですよね。Webとアナログを上手に組み合わせて、営業の仕組みを構築しましょう。
新人行政書士の開業時は紹介営業がオススメ
広告にお金をかけられないので、紹介営業を考えていますが大丈夫ですか?
そうですね、開業時は紹介営業が最も合理的でオススメです。また、それと同時にWeb営業も開始した方が良いでしょう。
営業にはいくつかのパターンがありますが、開業時にオススメなのは「紹介客」を増やす営業方法です。
開業後は資金が無いので広告に費用が使えません。そして、仕事を受注すると忙しくて営業ができなくなります。よって、お金を掛けずに、かつ、自分以外の人に営業してもらうのがベストですよね。それがまさに「紹介営業」です。
紹介してくれる人を増やすということは、自分の事務所の営業マンを外部に持っているのと同じことです。しかも、紹介客の場合は紹介者による身元保証付きなので、変な顧客が少ないのもメリットです。
ただし、紹介営業は成果が掛かるまでに時間が掛かります。紹介元と仲良くなったからといって、タイミングよくすぐに紹介案件があるとは限りません。
そのため、紹介営業を行いつつ、同時に、自ら直接顧客をWeb集客する仕組み作りも早い段階からやった方が良いです。
ただし、Web集客には「ホームページ作成」やアクセスを集めるための「SEO対策」や「Google広告」など費用が掛かるので、失敗した時の金銭的なダメージが紹介営業よりも大きいです。
そのため、開業直後、もしくは、可能であれば開業前の段階で、しっかりと士業のWeb活用に関する正しい知識を得て、無駄な失敗をしないように準備してから取り組むことをオススメします。
紹介者と仲良くなる営業術
紹介してくれる人とどうやって仲良くなればいいですか?
まずは、誰が紹介してくれるかを書き出してみましょう。そして、その人たちとどうやって繋がるかを考えましょう。
紹介客を増やすには、紹介してくれる紹介元と仲良くなる必要があります。そのために、まずは自分に顧客を紹介してくれるのは誰かを考え、書き出してみましょう。
例えば、先輩行政書士、地元の税理士、地元の司法書士、商工会、銀行、経営者団体、その他諸々。
それを書き出したら、その人たちとどうやったらつながれるのかを考えてください。
例えば、ある補助金専門の行政書士は、金融機関からの紹介が欲しいと思いました。ただ、正面から営業してもあしらわれて終わりです。そこで、その行政書士は金融機関のOBと仲良くなり、OB経由で銀行とつながる方法を考えました。
金融機関のOBが財務コンサルタントとして活動していたので、自身の補助金ノウハウを活かして資金調達パートナーとして協業したうえで、金融機関とのつながりも構築しました。
このような感じで、直接会いたい人に会えない場合は、誰を介せば間接的にその人に影響力を持つ人とつながれるのかを考えるのが、紹介営業戦略の楽しい部分です。
紹介営業でつながるコツは、相手に手土産を用意してつながることです。手土産と言ってもおまんじゅうを用意するわけではなく、「相手にとってのメリット」を用意してつながることが重要です。
例えば、一番簡単なのは、自分が相手のサービスを買うことです。先輩行政書士と仲良くなりたければ、その行政書士が主催している実務講座に入会すればよいですね。
つながりたい会計事務所に、税務顧問を依頼して、自分が顧客になってしまうという方法もあります。自分が顧客になることで、自分の事業の状態や専門分野を伝えることができます。
税理士事務所目線だと、顧問先のあなたの話をしっかり聞かなければならないわけなので、じっくりと営業ができますね。
それ以外にも、税理士と仲良くなりたければ、税理士にとってメリットがあるサービスを用意する方法も考えられます。例えば、地元の会計事務所は顧問契約で安定経営をしているので、経営者から「資金調達」や「補助金」の相談をされても面倒だからやりたくないとします。
それであれば、「顧問先から資金調達や補助金の相談をされた際に、事業計画書作成などを代行します」というチラシを用意し、裏面には自身の人柄が伝わるプロフィールを書いたものを持参して会いに行けば、話を聞いてくれて、仲良くなれるかもしれませんね。
飛び込み営業ではあしらわれたとしても、チラシだけ置いてもらって、後で電話して「観ていただけましたか?」と伝えれば、いきなりテレアポするよりも会ってもらえる確率が上がるかもしれません。
ちなみに、実績も無いのに「資金調達や補助金ができます」と言っても全く説得力が無いので、まずはご自身で事業資金の創業融資を受けたり、持続化補助金に採択されたり、経営革新計画の認定を受けるなどしてみれば良いですね。
そうすれば、実績ができますので、それを根拠に「資金調達や補助金ができます」と言えますね。実績が0件と1件では全然違いますので、まずはご自身で実績を出す方法はとてもオススメです。
また、先輩士業と仲良くなる方法としては、X(旧Twitter)で絡む方法も有効です。
「この人とつながったらこうなるだろう」とターゲットに決めた人とつながるなら、その人の投稿にいいねするところから初めて、少し距離感が縮まったらコメントしてみて、さらに距離感が縮まったらDMで「いつも投稿を観ていて、◯◯なところを尊敬しています。もしよろしければ、一度お話をお伺いすることはできますか?」と言ってみれば良いです。きっと快くOKの返事がもらえます。
ちなみに、DMをする際は、ある程度フォロワー数を増やしてからにしましょう。「フォロー10」程度のアカウントからDMされても怪しさしかありませんので、そういう意味で、一定の数のフォロワーをつけるために、同期の行政書士の投稿にいいねして相互フォローをするのは意味があると思います。
・・・このような感じで、自分が会いたい人・つながりたい人にどうやったらたどり着けるのかを描き、それを実現する方法を考えていくのが営業戦略です。
その他、金融機関や商工会、業界団体など考え方は一緒です。彼らが潜在的に何に困っていて、それに対して自分は何が提供できるのかを考え、手土産として提案して仲良くなるわけです。
士業営業の極意「デジタルインアナログアウト」とは?
SNSやホームページも活用しなきゃいけないと思うんですが、どんな風に進めればいいでしょうか?
まずはホームページでしっかりと自分の印象を作ることが大事です。その後、SNSなどで繋がりを作っていきましょう。
どのような営業戦略を描いたとしても、士業の場合は「デジタルインアナログアウト」が有効です。ネットで知ってもらい、リアルで会う方法です。
ネットで事前に自分のことを知ってもらっているというのは、かなり強力なパワーがあります。例えば、同期の行政書士の交流会があった時に、SNSで目立っている人に会うと、同じ新人の同期なのに「あ、本物の◯◯さんだ!」と思ってしまったことがありませんか?会う前から精神的な上下関係ができてしまっているわけです。「自分のことを一方的に知ってもらってる状態」というのは、それくらいパワーがあるんですね。
なので、ネットを活用して自分のことを知ってもらう活動をしてくことになりますが、その際に重要なのはホームページです。デジタルでつながった時に、相手は必ずプロフィールを見ます。どんな人なのか、ヤバいやつじゃないのかを確認するためです。
よって、人とつながる前に必ずホームページをしっかりと整え、相手に意図した自分の印象が与えられるようにしてからSNSでつながったり、交流会で人と会うようにしましょう。
Xのカバー写真、プロフィール写真、ハンドルネーム、プロフィールは整っていますか?Xのプロフィール欄にホームページへのURLは掲載されていますか?ホームページの写真は整っていますか?自分の人柄が伝わるプロフィールは掲載されていますか?専門性をアピールする記事は投稿されていますか?
そして、いざ会うとなったら、印象に残る名刺は作ってありますか?名刺で伝えきれない情報を補完するチラシの準備はできていますか?名刺を私た相手に、後でホームページを見てもらうような導線を作ってありますか?
そして、大前提として、「自分のことをどのように覚えてもらう」のかを決めて、その印象を与えるためにすべての接触ポイントが整えられていますか?
人は知っている人に相談するので、まず覚えてもらわなければ紹介は起きません。覚えてもらうためには、「◯◯さんと言えば★★」と相手の脳裏にタグ付けさせることです。相手任せにタグ付けされては駄目で、意図的に、自分のことを狙った印象で覚えてもらうようにする必要があります。
第一印象は超重要。印象は後で変えにくいからです。第一印象は1回きりの一発勝負なのです。そのため、ホームページは絶対にしっかりと作っておきましょう。
行政書士の学校に参加する
行政書士が効果的に紹介営業をする裏技があれば教えてくれませんか?
「行政書士の学校」を受講することをオススメします。
新人行政書士が「紹介営業」を行うのであれば、「行政書士の学校」に参加するのが良いと思います。行政書士の学校では様々な分野の先輩行政書士が交代で講師を務めています。講師にとって受講者はお客様なので無下にはできません。そのため、色々な講師と仲良くなることができます。
仲良くなればその先生から仕事がもらえるかもしれないですし、自分が受注した案件で困った時に相談できる先輩を作っておくことは、即独する行政書士にとってはとても重要ですね。
また、運営側と仲良くなれば「こういう分野に詳しい方を紹介してくれませんか?」と相談すれば紹介してくれたりもするでしょう。
実務を学ぶ場であると同時に、困った時に相談できる先輩もでき、かつ、仕事につながる出会いの場でもあるので「行政書士の学校」はオススメです。
関連サイト
新人行政書士が自分に合った専門業務を選ぶポイント
誰とつながるかを考えるにあたり、まずは自分の専門分野を決める必要がありますよね?
そうですね!まずは自分の専門分野を決めないと、誰とつながればよいのかが決まらないですからね。
新人行政書士が生き残るために最も重要なことは、「ストック収入」で強いビジネスモデルを作ることです。行政書士でストック収入型のビジネスモデルが作れる業務と言えば、「建設業」「障害福祉」「財務コンサル」などが挙げられます。
許認可や相続などの「スポット業務(単発業務)」では経営が安定しません。今月の売上が多くても、来月の売上が少ないかもしれないので、計画的な投資が難しいためです。
毎月50万円固定の収入があれば、月10万円のパートスタッフを何名か雇うことは容易ですよね。一方、今月単発で100万円の収入があったとしても、来月は売上ゼロかもしれないのであれば、恐くて使うことができないですよね。
伸びる経営者は売上を次の売上を生む仕組み作りに投資して、どんどん売上を増やしていきます。そのためには、「ストック収入(固定収入)」が積み上がるビジネスモデルを構築することが重要です。
数年前に「補助金バブル」と言われた時期があり、補助金専門の行政書士が大きな売上を上げて話題になりました。でも、今はどうでしょうか?
補助金のような単発業務は、瞬間的に大きな売上が得られたとしても、ある時たちまち不安定になる可能性があります。例えば、補助金が無くなったり、難易度が急に上がり採択率が下がれば終わりです。
でも、単発の売上ではなく、「ストック収入(固定収入)」を重視して補助金業務を設計していたらどうでしょうか?補助金採択後の定期的な申請をセットで受注するとか、補助金申請時に事業計画作成のコンサル力を示して財務コンサルティングにつなげるとか。「ストック収入(固定収入)」につなげたビジネスモデル設計にしておくことが重要です。
行政書士の営業まとめ
「新人行政書士」には武器が無いようで、実は「新人ブランド」という強い武器を持っています。新人のうちにしっかりと営業戦略を作り、実行していくことが重要です。
士業Web戦略のご相談なら
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